2018-07-01

以前のメルマガにも書かせていただいたのですが、当店ではほんの少量ですが、いくつかの農家さんから無農薬・有機栽培・自然栽培の野菜を取り寄せ販売しています。

気温の低い間は店の前の外に並べることができるので、手に取っていただきやすいと思いますが、この季節は店内の冷蔵庫に入れていますので、売っていることすら分かりにくいと思います。また、スペースも限られているのでスーパーや専門店のように多種多様な野菜を並べることもできません。2Fのカフェでも使うようにして極力廃棄が少なくなるように努力しているのですが、なかなか厳しいのが現状です。

売り場面積や当店の販売力から考えると少量しか仕入れられないので、送料の比重が高くなります。特にこの時期は「チルド便」を使わなくてはならないのでさらに費用がかさみます。・・・見切りのための値下げ販売、廃棄、送料のことまで考えると完全に赤字です。

有機野菜の卸をしている会社もいくつかあります。そういった会社からの仕入れ販売も試みましたが、産直に比べて値段がどうしても高くなってしまうのと、鮮度も正直見劣りします。

今まで何度も「野菜はもう無理、やめよう」と思いました。でも野菜に限らず他の商品もそうなのですが(本当に不思議としか言いようがないのですが)、やめようとすると「あれ、野菜ないんですか、この前買ったらとっても美味しかったからまた来たんだけど・・・」「あのー、この前買ったXXどこにあるんでしょうか、いつ入るのでしょうか」とおっしゃるお客さんが現われるのですね(笑)。

2年前、当店は食器やキッチン用品がメインで、申し訳程度に加工食品を置いているという店としてスタートしました。それから試行錯誤の結果、食品の取り扱いを増やす決断をして今の形になりました。食器やキッチン用品は売れると単価も高いのですが、いつもバンバン売れるわけではありません。さらに単価が高い商品を売るちょっと入りにくい店のように思われているように感じてもいました(食器も基本的に高いものは置いていないのですが・・・)。

食品を増やそうとしたとき、業界で尊敬を集める自然食品スーパーの会長を紹介してもらい、相談に行きました。会長ご自身当店に何度も足を運んでくださり、様々なアドバイスをいただきました。店の足りない点、私の足りない点、チーム作り・・・多くのアドバイスをいただきました。でも最終的に食品を増やすこと、特に生鮮食品を扱うことがこの店にとって良いのかどうか、会長も答えを教えては下さいませんでした。

考えに考え、食品を店の半分くらいまで増やそうと決めたとき、会長がおっしゃった言葉がこの文章のタイトル「君、お客様の食生活を支える覚悟はあるのか?」です。その当時は正直「そんな大げさなこと言われても・・・」と思いましたが、今にして思うと、会長が仰ろうとしたことが少しだけ分かる気がします。「XXないの、美味しかったからまた来たのに・・・」というお客様のお声を聞くたび、恐らくそれこそが会長が仰ろうしたことなんだなと思います。そして、それは食品に限らず小売業、いや経営者としての心構えのようにも思えます。

いまだに自分に覚悟があるのかは分かりません。食品を増やしたことが正しいことだったのかも。単に小さな店が余計に中途半端になっただけかもとか、今も時々お客様から聞かれるように「この店はいったい何の店ですか?」と。

何かを始めるとそこに責任が生じる。もっと気楽に考えてもいいのかもしれませんが、それが出来ないまま、3年めを迎えた「クッキングスタイルズ」。

この中途半端で、訳の分からない店のどこを気に入っていただいているのか本当に分からないのですが、いつも通ってくださるお客様と、真摯にモノ作りに取り組んでいる生産者の方々がいらっしゃる限り続けていこう、いや、続けていけるようにしなくては、と考え日々悩みながらも過ごしています。